大腸カメラ検査でわかる病気
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大腸カメラ検査でわかる病気
大腸ポリープとは、大腸の粘膜に隆起する組織のことを指します。特に直腸やS状結腸に多く発生し、その大きさは数ミリから3センチ程度まで様々です。大腸ポリープは大きく腫瘍性と非腫瘍性に分類されます。非腫瘍性ポリープには、過誤腫性、炎症性、過形成性のものがあります。一方、腫瘍性ポリープは腺腫であり、これは最も一般的なタイプです。次に多いのが過形成性ポリープです。
特に問題となるのは腺腫であり、大腸に100個以上の腺腫が形成される状態を大腸腺腫症と呼びます。この状態を放置すると、100%の確率で大腸がんに進行します。腺腫は数年かけてゆっくりと進行し、その一部ががん化する可能性があります。
小さなポリープはほとんど症状がありませんが、大きくなると便潜血や鮮血便のような症状が現れることがあります。若年性ポリープは時折自然に脱落し、下血を引き起こすことがあります。さらに、大きなポリープでは腸重積を引き起こしたり、肛門の外に出てしまうこともあります。
内視鏡検査で発見されることが多く、内視鏡的ポリープ切除術で取り除くことが一般的です。大腸ポリープは再発する可能性があるため、定期的な検査が推奨されます。
大腸がんそのものでは、お腹の痛みや違和感を直接感じることはありません。しかし、がんが進行して大きくなると、腫瘍が便の流れを妨げたり、腫瘍から出血を起こすことで症状として自覚されるようになります。早期の大腸がんは無症状であることが多いです。
口から食べたものは消化管を通り、消化・吸収されます。大腸は消化管の最終部分で、全長1.5mから2mの臓器です。主な役割は水分を吸収して便の形を作ることであり、最大で1日6リットルの水分を吸収できるとされています。大腸は大きく結腸と直腸に分けられ、結腸はさらに盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に区分されます。
大腸がんとは、大腸の表面の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称です。進行すると、がんは粘膜表面から大腸壁の奥深くまで進展し、腫瘍のサイズも大きくなるため、症状が現れやすくなります。
外科手術が主要な治療法であり、腫瘍の部位や進行度によっては、化学療法や放射線療法が併用されます。定期的な大腸内視鏡検査が早期発見の鍵です。
クローン病と潰瘍性大腸炎は、慢性的な腸の炎症を特徴とする自己免疫疾患です。クローン病は炎症性腸疾患の一種であり、近年その患者数が増加している難病です。特に若年層に多く見られ、全身の消化管に炎症が広がる特徴があります。現在では根本的な治癒方法が確立されておらず、継続的な管理が求められています。自覚症状が現れた場合、早期に専門医を受診することが重要です。
主な初期症状は、腹痛と下痢です。これらの症状は半数以上の患者に見られ、時には発熱や体重減少、貧血などの症状も伴うことがあります。腹痛は特に、大腸と小腸の境目に近い右下腹部に集中することが多いです。ただし、クローン病では潰瘍性大腸炎と異なり、血便があまり見られない傾向がありますので、その点にも留意する必要があります。
薬物療法(抗炎症薬、免疫抑制薬)が基本です。症状が重い場合は、手術が必要になることもあります。定期的な医療監視と適切な食事管理が重要です。
大腸憩室は、大腸の壁に形成される小さな袋状の構造物です。通常は無症状ですが、炎症を引き起こすと大腸憩室炎となり、痛みや発熱を引き起こします。
無症状の場合、特別な治療は不要です。憩室炎が発生した場合、抗生物質の投与や、重症の場合は手術が必要となることもあります。予防には高繊維食が推奨されます。
大腸粘膜下腫瘍は、大腸の粘膜下層に発生する腫瘍です。良性と悪性があり、無症状のことが多いですが、大きくなると症状が現れることがあります。
内視鏡的または外科的手術で切除します。定期的な検査と監視が必要です。
感染性腸炎は、病原微生物がヒトの腸管内に侵入し、そこで定着して増殖することで引き起こされる疾患であり、ほとんどの場合に下痢が見られます。感染の原因となる病原体には、細菌、ウイルス、寄生虫などがあります。
細菌やウイルスによる感染性腸炎は、増殖する部位に応じて小腸型と大腸型に大別されます。感染が及ぶ場所により、潜伏期や症状が一定程度規定されます(後述)。感染は主に食品や汚染された水による経口摂取(食中毒)が一般的ですが、ペットや他の人からの接触感染も報告されています。
季節によっても異なり、夏季には主に細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生する傾向があります。
一方、寄生虫による感染性腸炎では、下痢が必ずしもみられないことがあります。
多くの場合、自己限定性で特別な治療は不要です。重症例や特定の病原体による感染の場合、抗生物質や抗寄生虫薬が使用されます。予防には、衛生管理と食品の適切な調理が重要です。
痔核は「いぼ痔」とも呼ばれ、痔瘻(じろう=あな痔)、裂肛(れっこう=切れ痔)とともに肛門の3大疾患の一つであり、最も一般的な肛門の病気です。痔核は歯状線(直腸と肛門の境界)を基準に、肛門の外側(皮膚側)にできる「外痔核」と内側(直腸粘膜側)にできる「内痔核」に分けられます。ただし、実際には直腸粘膜側のみにできる例はほとんどなく、多くの場合、歯状線をまたいで上下に広がる形で発生します。これらも一般的には内痔核と呼ばれます。
肛門部には血管、動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう=動脈と静脈がつながる部分)、平滑筋、弾性組織からなるクッション部分があり、肛門を閉じる役割を果たしています。痔核は、この肛門クッション内でのうっ血や、周囲の組織が弱くなり、伸びて肛門から脱出することによって形成されると考えられています。
軽度の場合、生活習慣の改善や市販の治療薬で対処します。重症例では、硬化療法や手術が必要となることもあります。予防には、食物繊維の摂取と適度な運動が有効です。
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