2026年4月14日

更新日:2026年4月14日
記事監修:清水台はっとり内科・消化器内科クリニック 院長 服部 伸洋
健康診断の便潜血検査で陽性が出ると、多くの方が不安を感じます。しかし、陽性だからといって必ずしも大腸がんというわけではありません。大切なのは、痔などの自己判断で放置せず、適切な精密検査を受けることです。本記事では消化器病専門医が、便潜血の原因から大腸カメラ検査の必要性まで詳しく解説します。
はじめに:健診結果を見て不安を感じている皆様へ

健康診断の結果が届き、便潜血陽性(要精密検査)の文字を見て、驚きや不安を感じていらっしゃる方は少なくありません。特に働き盛りの30代から50代の方は、お忙しい毎日の中で「たまたまかな?」「痔があるからそのせいだろう」と、ついつい後回しにしてしまいがちです。
まずは、その不安な気持ちに寄り添わせてください。便潜血陽性は病気の確定ではなく、大腸からのわずかなサインです。このサインを正しく受け取ることが、将来の健康を守る第一歩となります。
便潜血検査(検便)とはどのような検査か
便潜血検査は、便の表面をこすり取り、目に見えないほど微量な血液が混じっていないかを調べる検査です。
現在の主流は免疫法と呼ばれ、人間の血液(ヘモグロビン)にのみ反応するため、食事(肉類など)の影響を受けることなく、大腸からの出血を高い精度で検出できるとされています。
主な原因:なぜ陽性反応が出るのか
便潜血で陽性が出る原因は多岐にわたります。
- 痔(内痔核・外痔核):最も頻度の高い原因の一つです。
- 大腸ポリープ:便が通過する際の摩擦で、ポリープの表面から出血することがあります。
- 大腸がん:腫瘍の表面からわずかな出血が起こります。
- 大腸炎:粘膜の炎症(潰瘍性大腸炎など)により出血する場合があります。
考えられる疾患
陽性=大腸がんではありません。統計的には、便潜血陽性で精密検査(大腸カメラ)を受けた方のうち、がんが見つかるのは数%程度と言われています。しかし、以下のような疾患が隠れている可能性があります。
- 大腸ポリープ:がん化する手前の腺腫が見つかるケースが多くあります。
- 大腸がん:早期がんであれば自覚症状はほとんどありません。
- 炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎やクローン病など。
- 憩室(けいしつ)出血:腸の壁が外側に膨らんだ部分からの出血。
受診の目安:1回だけの陽性でも受診すべき?
2回検査して1回だけ陽性だったから大丈夫、と考えるのは危険です。
大腸がんやポリープからの出血は常に一定ではなく、出たり止まったりするのが特徴です。そのため、1回でも陽性反応が出た場合は、大腸のどこかで出血が起こっている可能性を否定できないため、必ず精密検査を受けることが推奨されています。
検査・診断:大腸カメラ(大腸内視鏡検査)

便潜血陽性の場合、最も確実な精密検査は大腸カメラ(大腸内視鏡検査)です。
肛門から細いカメラを挿入し、大腸の粘膜を直接観察します。CTや再度の検便では、小さなポリープや早期がんを見落とす可能性があるため、現在の医療では大腸カメラがゴールドスタンダード(標準的で最も信頼される検査)とされています。
治療方法
検査の結果によって治療方針が異なります。
- ポリープが見つかった場合:当院では、検査中にその場で切除する日帰り手術が可能です。
- 痔や炎症の場合:内服薬や座薬による治療を行います。
- がんが見つかった場合:進行度に応じ、適切な基幹病院(大学病院など)をご紹介し、治療をサポートいたします。
放置するリスク
便潜血を放置する最大のリスクは、早期発見・早期治療のチャンスを逃すことです。
大腸がんは、ポリープ(腺腫)が時間をかけてがん化するケースが多く、ポリープの段階で切除すれば、がんを未然に防ぐことが可能です。症状が出てから受診するのと、健診のサインで見つけるのとでは、その後の経過に大きな差が出ることがあります。
当院(清水台はっとり内科・消化器内科クリニック)の特徴
おなかの専門医として、患者様が安心して検査を受けられる環境を整えています。
- 苦痛の少ない内視鏡検査:鎮静剤・鎮痛剤を使用し、いつ始まったか分からないほど楽な検査を目指しています。
- 専門医による高度な診断:聖マリアンナ医科大学病院等で経験を積んだ内視鏡専門医が、最新のAI内視鏡診断支援システムを駆使して、小さな病変も見逃さないよう精密に診察します。
- 日帰りポリープ切除:検査で見つかったポリープはその場で切除。何度も来院する負担を軽減します。
- 生活習慣病のトータルケア:脂肪肝や高血圧などの生活習慣病も、肝臓専門医・総合内科専門医の視点から総合的に診療いたします。
まとめ:少しの勇気があなたの健康を守ります
便潜血陽性は、体からの「一度しっかりチェックしてね」というメッセージです。 忙しいから、あるいは怖いからという理由で放置せず、まずは一度ご相談ください。当院は宮前ショッピングセンター内にあり、お買い物のついでや、お仕事帰りにも立ち寄りやすい環境です。
皆様の不安を安心に変えられるよう、スタッフ一同、真摯に向き合わせていただきます。
よくあるご質問(FAQ)
Q1:便潜血検査で陽性でしたが、もう一度検便をして陰性なら大丈夫ですか?
A1:いいえ、再検査はおすすめしません。がんやポリープがあっても毎日出血するわけではないため、一度でも陽性が出た事実は消えません。必ず大腸カメラによる精密検査を受けてください。
Q2:生理中の検便で陽性になりました。それでも検査は必要ですか?
A2:生理血が混入して陽性になることはあります。その場合は、生理期間を避けて再度便潜血検査を行うか、医師にご相談ください。
Q3:大腸カメラは痛い、苦しいと聞くので不安です。
A3:当院では鎮静剤を用いて、眠っているような状態で検査を受けていただけます。専門医の技術と最新設備により、できる限り苦痛を抑えた検査を提供しています。
Q4:検査の費用はどのくらいかかりますか?
A4:保険診療(3割負担)の場合、検査のみであれば約5,000円から7,000円前後、ポリープ切除を行った場合は約20,000円から30,000円前後が目安となります(薬剤料や組織検査の有無により前後します)。
Q5:検査にかかる時間はどのくらいですか?
A5:観察のみであれば15分から20分程度です。ポリープ切除を行う場合は、個数や大きさによりプラスで10分から20分ほどお時間をいただく場合があります。
Q6:平日は仕事で忙しいのですが、土日も受診できますか?
A6:お忙しい方の為に、内視鏡検査に関しては土曜日の午後も行っております。当院の診療時間やWEB予約状況については、公式サイトをご確認ください。お忙しい皆様が受診しやすいよう配慮しております。
記事監修

清水台はっとり内科・消化器内科クリニック 院長 服部 伸洋(はっとり のぶひろ)
- 医学博士
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医・指導医
- 日本消化器内視鏡学会 消化器内視鏡専門医
聖マリアンナ医科大学卒業後、同大学病院で肝臓病を中心に消化器内科全般の臨床経験を積む。2024年9月、慣れ親しんだ宮前区にて「清水台はっとり内科・消化器内科クリニック」を開業。専門医としての高い技術と最新設備により、苦痛の少ない精度の高い内視鏡検査を提供している。
クリニック公式サイト https://hattori-mc.com/